「課題文」
The two Republicans vying to become the top alternative to former President Donald Trump in the party’s 2024 presidential primary spent their one-on-one CNN debate Wednesday night in Des Moines, just five nights from the Iowa caucuses, slinging attacks — and calling each other liars.

But they largely ignored Trump, who maintains a massive lead in Iowa and national GOP primary polls, in the debate’s opening moments.

The debate – hours after another 2024 contender, former New Jersey Gov. Chris Christie, dropped out of the race – was a demonstration of both candidates’ belief that the field needs to be further winnowed before the last non-Trump candidate standing shifts focus to the former president.

音声解説はこちらからどうぞ。
                    
「訳例」
2024年共和党大統領予備選で、ドナルド・トランプ前大統領に代わり第一の候補者になろうとしのぎを削っている2名の共和党候補者が、アイオワ州党員集会から丁度5日後の水曜日の夜に、デモインで行われた1対1のCNN討論会に臨んだ。彼らは互いに嘘つき呼ばわりするなど中傷合戦に終始した。

しかし、両候補者は討論会の冒頭で、アイオワ州と全米の共和党予備選挙の世論調査において今なおトップを走るトランプ氏をほとんど意に介さなかった。

そのCNN討論会は、2024年大統領選のもう一人の競争相手である前ニュージャージー州知事のクリス・クリスティ氏が選挙戦から撤退した数時間後に開かれたものであるが、最後まで残る非トランプ候補者がトランプ氏に関心を向ける前に相手方を一掃しておかなければならないという両候補者の考えを証明するものとなった。
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一、分析①(概説)
今回の解説は、第1段落の’The two Republicans vying to become the top alternative to former President Donald Trump in the party’s 2024 presidential primary spent their one-on-one CNN debate ~’です。

この解説のポイントは、「主要構造物を構成する主述関係の働き」です。
           
前半の解説では、付加的構造物による長い主部と述部を持つ[主要構造物]の構造的特徴について取り上げ、そして後半の解説では、主要構造物と付加的構造物における「主従関係を前提とした訳出法」について取り上げます。

    「The two Republicans vying to become ~ spent their one-on-one CNN
debate ~ 」

        ⇒ 1) S v-ing to-inf ~ V+O, —, n1 – and n2
 ⇒ 2) the two Republicans +v-ing to-inf+O1 to+O2
        ⇒ 3) spent +adv-phr in+O1, n from+O2, ~
        ⇒ 4) one-on-one CNN debate
⇒ 5) the two Republicans +spent + one-on-one CNN debate
(S+V+O)

さて、上記の5つの展開式で示したように、1つの「主要構造物」を構成する主語と述語と目的語において、目的語を除く文要素である「主語と述語」のそれぞれについて様々な形態の長い付加的構造物が接続(修飾)しているのが分かります。

それを示しているのが、展開式(2)と(3)です。

しかも、それぞれの付加的構造物には動詞の変化形である「現在分詞や不定詞」が含まれているために、それぞれの語句に「主述関係」、即ちnexus法則が適用されることになり、その結果としてどの語が「主要構造物の主語と述語」であるかが実に分かりづらくなっています。

しかし、このような英語の構造は、1つは英文を構成する文要素である「名詞と動詞と形容詞」が持っている構造的機能によって構成されるものであり、そして2つは「後置用法(後付け方式)」という語句の配列によるものであることから、翻訳する場合にはその知識が必要不可欠になるのです。
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二、分析②(理論) 
上記の解説で述べたように、(1) 単語の持つ「構造的機能」の知識と、(2) 語句配列の法則である「後置用法(後付け方式)」の知識なくして英文を訳出することは無論できません。

しかも、上記の2つの法則は、英文構造そのものを成り立たせるための「主述関係(nexus)の法則」を前提としているのです。

従って、どの一文の「主要構造物」にも必ず一つの主語と一つの述語が存在していることから、上記の2つの法則はこの主述関係の法則を無視することはできません。

しかしながら、たった一語の主語と述語が多くの単語の中に埋もれていることから、その主述関係の存在の知識がないことによって、誤訳が生まれることになるのです。例えば、左から右へと訳し下げればいいのだとか、一文の付加的構造物の随所にある主述関係をそのまま訳せばいいとか、あるいは構造的機能に従って直訳すれば正しい訳文になるとかなどの結果が生じることになります。

翻訳する場合には、とにかく「nexus法則」に従って「主要構造物」の文意を把握し、どれだけ長い付加的構造物が存在しても、「主要構造物」の主述関係によって生まれた文意が付加的構造物の流れによって左右されないという基本姿勢が求められるのです。